骨粗しょう症のガイドラインが2012年に改訂されました。これは本症の診断と治療戦略に影響を与える大きな変化がおこってきていると考えられます。
そのガイドラインによると、診断のための骨量測定は腰椎と大腿骨部位で測定することが望ましく、また診断の原則として腰椎骨密度を用いますが、高齢者で腰椎測定が難しい場合、大腿骨にて測定することとなりました。
当クリニックでは、骨密度装置として、腰椎、大腿骨用の骨密度装置を使用し、専門的加療を心がけています。
毎週水曜日午前に骨粗鬆症専門外来(完全予約制)を行っています。
(世田谷リウマチ膠原病クリニック祖師谷院長、日本整形外科学会専門医、医学博士、日本整形外科学会認定リウマチ医)
【予約方法】
お電話あるいはクリニック受付で受診希望をお伝えください。なお、水曜日以外も骨密度検査や骨粗鬆症治療を行なっていますが、担当医は曜日ごとに異なります。
【実施検査】
骨密度検査や血液検査、レントゲン検査など
骨粗しょう症とは骨の中があらくなり、スカスカで透けたようになる病気で骨の量は少なくなり弱くなって骨折しやすくなります。
骨粗しょう症にかかっている人は700万人位といわれ女性と男性の比率は9:1です。
骨粗しょう症でよく骨折を起こすところは手首、背骨(圧迫骨折)と寝たきりの原因となる大腿骨の付け根です。このように骨粗しょう症は放置すると怖い病気ですが、最近は簡単に骨量を測ることが出来るようになりましたので、早期発見をすることができるようになりました。
早く治療をすれば病気の進行を止めることができるだけではなく、骨量を増やすこともできますから、決して恐ろしい病気ではありません。
女性ホルモンのエストロゲンは、骨の中へのカルシウムの取り込み調節を行っています。
閉経後はこの女性ホルモンの欠乏により、骨密度の低下が引き起こされます。
加齢とともにカルシウム欠乏、そして骨破壊と新しい骨形成の速度の不均衡の結果として生じるものをいいます。
通常は70歳以上の老年者に発症するが、女性では男性の2倍も多いのです。これは閉経後骨粗しょう症が同時に起こりやすいためです。
骨粗しょう症患者の5%以下の割合で、別の病態や薬剤の影響などで二次性に発症することがあります。
慢性腎不全、ホルモン異常(甲状腺、副甲状腺、副腎の病気)、またはステロイドや抗けいれん剤などの薬物による副作用として発症します。
骨粗鬆症の発病には、加齢や閉経以外にも食事や運動習慣等の多くの要因が深く関わっております。その為に骨の生活習慣病とも呼ばれ、食事療法や運動療法も骨粗鬆症の予防には不可欠です。骨粗鬆症と診断された場合には薬が治療の中心となりますが、併せて食事や運動療法も必要になります。
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨密度を増加させる栄養素を積極的に摂り、骨を丈夫にするのが骨粗鬆症の食事療法です。カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。また、タンパク質の摂取量が少ないと骨密度の低下を助長しますので、食事量が少なくなりがちな高齢者の方は特に注意しましょう。
栄養やカロリーのバランスがよい食事を規則的に摂るのが、食事療法の基本となります。
運動不足は骨密度を低下させる要因です。骨にカルシウムを蓄えるためには、「体重をかける」ことが必要。日常生活のなかで階段の上り下りや散歩などを取り入れ、運動量を増やすだけでも効果があります。とくに有効な運動は、ウォーキング、ジョギング、エアロビクス等です。